信用度を高めるためにやることは2つ
もし、現在のあなたが印象ポジションのタイプ4(態度が弱く信用が低い)であれば、前項までの対処でタイプ2にまで移動することができます。ここまで来れば、仕上げは信用度を上げることです。これで印象ポジションをタイプ1へ移動させることができます。
信用度を上げるために、やることは主に2つあります。
まず第一に、意欲と責任感の印象付けをします。
仕事に対し、積極的且つ意欲的に取り組む姿勢を出すようにします。言葉で説明せずとも態度と行動でそう思われるようにするのです。これも態度の印象操作に近いものです。そのように印象付けをした方が信用度が上がるのが理由ですが、その他にも相手の叱責の正当性を失わせるという重要な意味もあります。(詳しくは次項『第一に意欲と責任感の印象付け』で書きます)
第二に、実際に成果を改善することです。
態度に関しては、本当は気が小さくてもそれを隠して演技で態度を強くしていればそれで良いのですが、信用度を高める場合はそうはいきません。
たとえ、いかにもデキるように振舞ったりしても、実際には間違えが多かったり作業が遅かったりすれば、能力に関して懐疑的な印象を持たれるのは当然のことだからです。
それに、実際に成果に問題が多い場合は、それを改善することは攻撃回避以前の問題です。可能な限り、改善する必要があります。(誤解のないように申し上げますが、印象操作術は成果に問題があるのを問題視されないようにする方法ではありません。そこは改善を試みる必要があります)
デキるかどうかは相対的評価
「デキるようになるなど難しい。それができれば苦労しない」と思うのであれば、心配は無用です。多くの人が持っている仕事の能力の印象というのは相対的なものです。職場の人たちの「平均的なデキ」の印象より上回ればいいのです。
職場の同僚が能力的に自分より優れていたとしても大丈夫です。多くの人は精力的でもなく、ただやらなければならないことに対して受動的に動いているだけです。つまり「競争する気がない人間に勝つのは難しくない」ということです。
その点、学校の方がまだ生徒は受験などで競争意識がある分、周囲に勝つのは難しいと言えます。学校で成績が良いと思われるには、試験などで実際に良い点を取らなければなりません。それに比べ、営業成績など数字が明確に出るものでなければ、職場で有能かどうかは印象が大きくものをいいます。その元となるのは態度と周囲との相対的な印象の差なのです。
そしてもう一つ重要なポイントは、周囲が本気でやっていない人が多いことと同様に、自分も能力をまだまだ発揮していない可能性があるということです。そこを自覚して取り組むように心がければ「デキる」と思われる成果を出せるようになる人は多くいると思います。
自分もこれまでただやらなければならないことを受動的にやっていただけではないか?そう振り返ってみましょう。伸びしろがまだまだあることが多いはずです。
態度の印象操作がここでも効いてくる
それでも社内の平均よりデキるほど成果を上げるのは難しいと思うのであれば、それも心配は無用です。ここで先に解説した「態度を強める印象操作」が効いてくるのです。
たとえ、全く同じ能力でも態度が強ければ、そうではない人と比べてデキるという印象を持たれるのです。社内でデキると思われている人、あなたがそう思っている人をよく観察してください。ただ態度が大胆だからそう思ってるだけではありませんか?実は能力的には特に優れているわけでもなく、ごく普通な人が多いのです。
つまり、デキると思われるところにまで成果を出せるようになれれば理想ですが、それが無理なら、せめて普通のレベルにまでいければ大丈夫ということです。
信用を向上させるための凡その概要は以上です。
では次項からは、実際に信用を上げるための2つのこと「意欲と責任感の印象付け」と「実際の成果を向上させる」の方法を解説します。