分析するのは相手だけではない
この問題を対策する上で、相手(加害者)を分析することは当然、必要です。私はそのためのヒントや情報をこのサイトで多く提示しているわけですが、実は分析する対象は相手だけではありません。自分自身も分析対象とすることが必要なのです。
その主な理由は2つあります。
一つは、もちろん攻撃を向けないように相手をコントロールするためです。自分の態度が「弱い者にだけ強い人間」にとっての弱い者に該当している。これまで考えたことも無かったかもしれませんが、その印象を与えている可能性を考える。これは、加害者視点でこれまでの自分を客観的に振り返ることです。
それに加えて、信用度(仕事の能力の印象)と好感度もどのような印象を与えていたか想像する必要があります。攻撃を受けやすくなっているということはその3つのいずれか、もしくは複数が悪い印象ポジションにあることは明確であるわけですから、そこを自覚しないことには対策が始まりません。
自分自身が自分を被害者にしやすくしている
そして、相手だけではなく自分も分析するもう一つの理由は、相手だけではなく自分自身の性分の一部も変える必要があるかもしれないからです。(おそらく、被害者になりやすいタイプは、変えなければいけない人が多いでしょう)
加害者に与えている印象が自分を被害者にしている要因であることは明白なので、自分自身が被害者になりやすくしてしまっているのは確かですが、もう一つ、自分自身が自分を被害者にしやすくしているかもしれない理由があるのです。
それは、繊細でダメージを受けやすいという性質です。
実際、世の中には叱責されてもそれほど引きずってないように見える人もいれば、しばらく引きずる人もいます。受けたダメージの大きさで被害の度合いが決まるのであれば、相手側の攻撃の強さだけではなく、自分のダメージの受けやすさも自分を被害者にしやすくしている一因だとも言えるわけです。
そうは言っても私自身、それを変えるのがどれだけ困難であるかはよく知っています。若い頃の私も繊細すぎたために、普通の人であれば一時的なショックですぐに済むようなことを長く引きずり、しばらくは頭から離れず、苦悩し続けました。
攻撃を受けても全く平気でいられるように、精神的なタフさを鍛えるというテーマに取り組んだ時期もありました。しかし、一時的にはその気になれても結局、ショックな事があると以前と変わらず、何度も挑戦しましたが「頑張ってもそういう性分を変えるのは無理なのだ」と諦めたこともありました。
印象操作術は自分の性分をも良い方向へ変えられる
繊細すぎる自分を変える難しさに比べれば、相手の攻撃を回避する術を身に付ける方がずっと現実的だという考えに至り、そこから印象操作術を考案するに至ったわけですが、印象操作術を実践しているうちに自分の精神面も変化しているということに気がつきました。それは「劇的に改善した」とまではいきませんが、少し変わっただけで、以前よりかなり気楽に生きられるようになったと感じるのです。僅かな差が大きな違いを生むのです。
印象操作術を行うことは、ダメージを受けやすく悩みやすい自分を改善できる可能性も含んでいます。相手を変えるだけではなく、自分も精神的にタフに、そして柔軟に変えることができる。そう信じています。
もし、あなたが悩みやすく、引きずりやすいタイプだと思えるのであれば、ぜひ、この印象操作術を学ぶことで、そこも改善していくというテーマも持ってほしいと思います。繊細な人にとって、内面を少しでも改善できれば人生は全く違うものになります。
そのための第一歩として、まずはこれまでの自分を客観的に振り返りましょう。