はじめに攻撃的な人間ありき
職場でよく怒ってくる人間というのは、如何にも自分の行為が正しいことのように言ってきますが、それは見かけの正当性を作り上げる彼らの常套手段です。その場に作り上げられる一見、正しいことのように思える感覚は、目に見えていても本当は存在しない蜃気楼と同じようなものです。単に怒りをぶつけたいだけのでっち上げであることがほとんどです。
よく怒ったり叱責してくる人間は多くの場合、こちらの問題ではなくその人の人間性の問題だということは以下の2点でわかります。
1. その理由であれば、怒りを向けたり叱責したりすることが必要か?最善の対処なのか?
これは絶対にないとは言い切れませんが、そうするしかないというケースは多くありません。それは同じ理由でも人によって様々な対応の仕方があるのを見ているからです。大抵の場合、同様のケースでも全く怒ったりせずにうまく指示や指導ができる人は沢山います。
2. その理由であれば、誰がやっても必ず同じように怒ったり叱責したりするか?
答えはノーです。大抵は同じことをやっても怒らない相手というのはいます。つまり、やったことではなく相手によるのです。
この2つからわかることは、一時的な不満感情の高ぶりだけで、必要のない怒りを向けても大丈夫な相手にだけ怒りをぶつけているだけということです。これは単に弱いものを狙った暴漢の行為と一緒です。(ただ一般的に言う暴漢と違うのは、それが身体ではなく精神への攻撃という点です)
つまり、叱責されてもそれは、そうされることが当然であるからではなく、その人間の人間性の問題であること、そしてこの問題は「はじめに攻撃的な人間ありき」であるとハッキリと認識することがこの先の対処法を学ぶ上で重要です。
根が正直で真面目な人は劣等感を抱きやすいものです。でっち上げの批判を真に受けて、過大なストレスに苦しむ人も少なくありません。この認識を持つことは、自尊心を護るためにも大事なことです。
常に弱い者をターゲットにする
そして、社内暴漢が攻撃を仕掛ける対象は、常に弱い者です。これをよく覚えておきましょう。ちなみに、学校における「イジメ」も、加害者は大抵は大人しく気の弱そうな同級生をターゲットにします。
通り魔犯罪で逮捕された犯人が「相手は誰でも良かった」と供述することがあります。しかし、それは嘘です。人通りの多い場所で目に入った人から順に次々と襲ったように想像しますが、ちゃんと相手を選んでいます。それは、明らかに弱い人、そして弱そうに見える人です。襲ったら反撃されて、逆に自分がやられてしまうかもしれない強そうな人に襲い掛かることはないのです。
それは動物の世界においても同じです。肉食動物は基本的には反撃して来ない草食動物を狙います。わざわざ危険を犯してまで自分より強そうな肉食動物を狙うことはないでしょう。
『自ら攻撃を仕掛ける者は、常に弱い者をターゲットにする』
これは人間を含めた自然界の普遍的な原則なのです。
しかし、職場での場合の強い・弱いは、腕力などの強さではなく、立場と態度である点がポイントです。立場と態度の両方が弱ければ、もう社内暴漢はいつでも好きに「餌食」の対象にできます。
立場と態度の両方が強ければもう攻撃対象とはなりません。しかし、どちらか一方だけでも(一部の例外を除いて)攻撃対象から外させることができます。立場は簡単に変えられませんが、態度は演じることですぐに変えられます。これを覚えておいてください。