1-1. セルフディフェンスの重要性

1. 印象操作術の方法

対策をしなければ被害に遭って当然

非常に治安の悪い地域があるとします。そこでは強盗や傷害などの事件が頻繁に発生します 。その中に、特に一人で歩くのはかなり危険な場所があります。その近隣に住んでいる場合、なるべく被害に遭わないようにするにはどうしたらよいでしょうか?

一番確実なのは、危ない場所には近づかないことです。そして、特に危険とされる場所では絶対に夜に一人で歩かないことです。

ですが、もし通勤などでどうしてもそこを通らなければならないとしたらどうでしょうか。個人でボディーガードを雇うのは難しいことです。それでも、防犯グッズや護身グッズを携帯するなり何かしら対策を考えるはずです。危険な場所と知っていながら、何の対策もせずにそこを毎日通ったとしたら、被害に遭っても「あまりにもあなたが不用心だった」と言われても仕方ありません。

必要のない怒号を浴びせて、精神に危害を加えてくる暴漢が職場にいると知っていても会社へは行かねばなりません。それなのに何も対策をしない。よく考えれば、これはおかしな話しだと思いませんか?

社内暴漢には「護心術」で対処する

上記で述べた通り、相手が通り魔や強盗犯などであれば誰かに助けてもらう、防犯グッズを使うなどの対策ができます。しかし、それらの暴漢と「社内暴漢」では事情が大きく異なります。

社内暴漢から被害に遭っても、周りの人は誰も助けてくれません。(助けを求めることすらできません)当然、防犯グッズのようなものも使えません。相手が強盗であれば、被害に遭いそうになったらまず逃げることが先決です。しかし、相手が社内暴漢だとその場から逃げることも反撃することも許されません。ただ黙って危害を加えられるしかないのです。

私も過去に社内暴漢からの被害で何度も会社を辞めています。仕事の内容が嫌なわけでも、給料が不満なわけでもなく、仲のいい同僚もいたのにも関わらず、たった一人、執拗に難癖をつけて攻撃してくる人間がいるために、退職せざるを得ない状況に追い込まれたのです。(上記で「逃げることも許されない」と言いましたが、退職という手段を使ってその人間から逃げることは可能です。しかし、前述した通り、安定収入、現場で覚えた知識や技術、職場の仲間などを全て失うことになるのです)

そして、退職へ追い込んだ人間は何も問題にされず、その会社に悠々と居続けているのです。このようなケースは世間に非常に多いと思います。この現実が、この問題が厄介であり、対処が難しいことをよく表しています。対処が簡単であれば、パワハラというものが社会問題になり、世の中でこれほど多くの人がこの問題で悩み、苦しめられていることの説明がつきません。

そこで私は、セルフディフェンスの心得を持つことを強く薦めています。つまり、自分で自分を護る術を身に付けるのです。パワハラを止めさせようと社内で相談したり、上の人間に訴えても何も変わらないことが多く、逆にこちらが問題にされることすら珍しくありません。この問題は、第三者を介入させて解決させようとしてもほぼうまくいきません。自力で解決させることがベストなのです。

セルフディフェンス(護身術)というと、武術で相手を倒すイメージがありますが、私が勧める方法は相手より更に強力な攻撃で打ち勝つ手段ではありません。不要な怒りや批判をこちらに向けないようにこちらの印象をコントロールして誘導するのです。(「護身術」ならぬ「護心術」とでも申しましょうか)

印象操作術は、精神に暴行を加えてくる社内暴漢と関わらざるを得ない状況でも精神を護ることを可能にする知的戦略なのです。(それだけではなく、人間関係の改善、社内評価のアップ、自信やセルフイメージの向上と、非常に良い波及効果があります)

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