叱責のダメージに対処する①

ダメージへの対処

職場で叱責を受けたり、パワハラをされたりした後に大きなダメージが残る方に向けて、ここから3回連続でそれに対処する方法を書きたいと思います。

過去にいた会社で、態度が弱々しく、よく怒鳴られている人がいました。しかし、見ていて不思議だったのは、叱られた後でもさほど堪えてなさそうに見えることでした。私も傍から見ればそのように見えたかもしれませんが、私の場合はショックを隠そうとする”やせ我慢”であり、内心は大きなダメージを負っていました。

ですが、その人が私と同じ理由でそのようにしているとは思えませんでした。「よく大丈夫だな。いつもあんな勢いで怒られたら自分だったらとても持ちこたえられない」と感じていました。態度は弱そうに見えても実は内面は強い「外柔内剛」なのかもしれないと思っていました。

しかし、そうではないのです。ショックを受ける大きさというのは個人差があるのです。同じ出来事でも人によって感情的な反応の大きさというのは異なります。つまり、その人はショックに強いというよりも、そもそもあまりショックを受けない性質なのです。言い方が悪いかもしれませんが、簡単に言えばその人は強いのではなく「鈍感」なのです。そして、私は逆にショックを受けやすい敏感タイプであったのです。

精神的なショックというものは数値で表せませんが、例えばその負荷を借金の額で考えれば分かりやすくなります。

世の中には、10万円の借金を返せなくて精神的に追い込まれる人もいれば、1億円でも平気でいられる人もいます。「10万円程度は深刻に考えるべきではない」とか「1億は真剣に悩むべきだ」「どちらも借金なのだから金額に関係なく真剣になるべき」と他人は色々と意見を言うかもしれません。しかし、それはその人にとっての回答を述べているだけなのです。その出来事や状況をどう受け止めるかは自分だけの問題であり、例え1億円であっても自分が問題としなければ自分にとっては何も問題にはならないのです。

そこから分かることは、叱責やパワハラで受けたショックやその後に引きずっているダメージは、完全に主観的なことであるということです。それくらいのショックやダメージを受けて然るべきことであるからそうなっているわけではないということです。たまたま自分がそのように受け止めやすい性質を持った人間であるというだけのことです。

しかし、それを理解すればダメージを受けている状態からすぐに回復できるのでしょうか?ショックやダメージを受けないようになれるのでしょうか?

当然、そう簡単ではありません。感情というのは一筋縄ではいかない手強い相手だということは私自身、よく知っています。ですが、まずはショックを受けやすくダメージを引きずりやすいというのは、自分の性質がそうさせていると理解することです。そして、自分がダメージを引きずっている状態のときにそれを思い出すことが大事です。そうすれば、苦悩に囚われながらもどこか冷静で客観的な自分を持てるようになります。まずそれが、対策をする上での重要な一歩になります。

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