頼れる理解者を得るのは難しい

問題の構造

被害者は孤独な闘いを強いられやすくあります。
その理由の一つに挙げられるのが、理解者を見つけるのが難しいことです。

私は1社目のとき新卒で4月に入社し、差別的な態度で扱われたことに強いストレスを受け、ゴールデンウイーク明けに退職届を出そうかと考えました。しかしその前に、学生時代に色々な話しをした母校の先生に相談してみようと思い、連絡をしました。

約束の日、会社の勤務が終わり、その足で母校に迎いました。そして、職場で酷い扱いを受けて悩んでいること、そして辞めようかと考えていることを正直に話したところ、思いがけない言葉が返ってきました。

「何の相談かと思ったらそんなことか。職場に気に食わない奴の一人や二人、どこにもいるもんだ。みんなそれで我慢してやってるんだよ。そんなことで辞めてたらキリがないぞ」

これは全く予想に反している回答でした。挙句に「くだらない」というキツいオマケまでついてきました。私はその場では「確かにそうですね、時間を取らせてしまってすみません。頑張ります」と言いましたが、心中は「これは言ったところでどうにもならない」と失望感でいっぱいだった記憶があります。(ただ、この相談でもう少し頑張ってみようとは思い、ゴールデンウイーク後の退職は思いとどまりました。しかし、以後も苦悩は続き、結局9月末での退職となりました)

もう一つ、相談しても無駄だったという記憶があります。
4社目のとき、入ってすぐに10歳以上、年歳が上の社員の下に付けられたのですが、常に不機嫌そうな態度で、奴隷のような扱いを受けていました。比較的広いオフィスでしたが、オフィスの隅々まで聞こえるくらい、よく声を荒げられていました。

ある日の帰り、自分が所属する部署の課長と一緒になりました。課長も自分と同じ駅を通勤に利用しており、駅まで一緒に話しをしながら帰りました。そのときに「どうだい、もう慣れたかい?だいぶK君に絞られてるみたいだけど」と、にこやかに言われました。

課長は穏やかな人柄で比較的、相談しやすい感じだったので、露骨には言えませんが「いやぁ、もう精神的にかなりキツいですね」と、それとなくSOSを発信してみました。「課長から指導してくれないか」「助けてほしい」というメッセージをそれとなく伝えたのです。

しかし、「まぁ、そう気にしないでさ、気楽に行こうぜ」と言われて、あっさりとかわされてしまいました。そのときの唯一の希望を絶たれたような感覚は未だにハッキリと覚えています。そして、その日のうちに何かもっともらしい理由を考えて辞めることを決心しました。(本音は言えないので)

私の2つの経験をお話ししましたが、いずれも「こんなことだったら言わなければ良かった」という思いと同時に本来、知られたくなかったことを言ってしまった後悔の念が強く残りました。しかし「今日は言ったことは全て忘れてくれ」「無かったことにしてくれ」と言っても、もう遅いわけです。

このような悩みは、悩んでいることを他人に知られたくないものです。そもそも他人に言うのに勇気がいるのにこういうことがあっては、ますます他人に相談しようなどと思わなくなります。私は最初のケース以後は、他人に相談しようという気がなくなくなりました。「誰も助けてくれない」「自分でどうにかするしかない」と思うようになりました。(2番目のケースは、助け舟を出された気がしたのでそれとなく言ってみたのですが、失望に終わりました)

相談を受ける側でまず大事なのは、言ってることに対して反対意見を持ったとしても、まずは無条件で味方になることです。言いにくいことを相談するということは、その人を信頼して恥を忍んで心を開いているのです。相手のためを思っているとはいえ、否定するような態度や姿勢であれば、相談した人は失望感しかありません。それではたとえ言っていることが正論でも心に響かないでしょう。一旦全て受け入れ、相手を肯定しながら自分の意見を提示することが大事です。

しかし、一般の人はカウンセラーではないのでそこまで理解して相談に乗りましょうと言ってもそれも仕方ない部分もあります。

私は過去に悩みを多く抱え、色々な経験をしている分、その辺は心得ているつもりです。相談がありましたら、どうぞ言ってきてください。

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